Pacifism Spy

腕を失ったサンゴが、パニックに陥り
逃げ出す妨げになってないか心配だ。

しかし、そのとき今までで一番大きな
揺れが起き、ナナも含め、立っていたものは
全員ひっくり返った。

ナナはすぐに立ったが、入り口には
特大の岩が落ちてきていて、
ニーナやサンナがやっと通れるくらいの
隙間しかなく、それさえも次々と落ちてくる
石などに塞がれていき、
やがて申し訳程度に光が差し込む程度に
なってしまった。

ナナは諦め、レイの指示を仰いだ。
行く術がない以上、くよくよと普通の人間の
ように振舞うのは無駄だ。

信じることしかできない。

レイはここにいる味方一人ひとりと
イチゴ、サンゴに意志を向け、一言、

「幸運を祈る。」

そういうと、霜降が落ちまいと
必死になっていたとこへ、
自ら飛び込んでいった。