Pacifism Spy

「義眼・・・だと?」

先ほどの視線の正体だった。
天井から義眼が吊るされていたのだ。

一瞬動きが止まったところを
レイが攻撃した。

霜降は間一髪でなんとか避けた。
ただ、避け方が悪かった。

咄嗟に横へ転がったのだが、
その先には、頑丈な鉄の扉があったのだ。

バーン!と音がして、霜降りは
中へ転がり込んだ。

一応、レイとの間合いが取れたと
安心したのもつかの間、
入り口からニ、三メートル先で
霜降は一瞬の浮遊感を感じた。

慌てて手を伸ばした。
重力に捕まり、落ちる。

が、かろうじて指先が床に触れた。
そして次の瞬間には、霜降は腕一本で
全体重を支え、底なしの闇とも
言える下に落ちまいと必死になっていた。