Pacifism Spy

そしてニーナはレイに懐き、
スパイになりたいと言った。

一ヵ月後、
レイはかなりの金額を支払った。
どう考えても五歳まで育ててきた
金額の二倍にしては多いが、
レイは文句も言わなかった。

そして、それからニーナに
本格的なスパイの指導をし、
今に至る。

そのため、ニーナは
レイ直々に指導を受けたため、
かなりのやり手だ。

そして、継母のおかげで、
スパイモードオンになると、
よほどのことがあるか、
喋らないといけない時以外は
全く話さなくなる。


サンナは人気のない廊下を歩いていた。
スパイモードはオフだ。

サンナのように
生まれた時から「躾」けられている子は、
三歳までの生活がどうであれ
スパイモードオンのときは、
スパイらしい態度になる。

仲間のことは
どんなに問い詰められようとも、
例え拷問にかけられても
絶対にばらしたりしない。