あ、無邪気な顔。



なんていうんだろう。



この、無防備極まりない笑顔が、まるであたしにだけ心を許してるのではと錯覚を覚えさせる。




「……ありがとう」



「よく頑張ったな」



お礼を言えば、ご褒美と言わんばかりに優しく頭を撫でられた。



……湊斗という男は、顔がいいくせこういうことを軽々しくできるのか。



これは……いろんな女の子が泣くだろうなと頭の片隅で思った。



「でも結局、玲央のパンツだったけど」



「ひとこと余計」



ムカッとして、思わず撫でられていた手を振り払ってやった。





その日、仕事帰りの玲央に事の経緯を伝えたら、自分のパンツを干す場所をめちゃくちゃ青ざめた顔で検討していた。



まさか男に自分のパンツを盗られるとは、本人も想像してなかったんだろう。




そんな姿を見て、湊斗とまた笑ったことは内緒。