一瞬、そうちゃんが喋ったのかと思ってびびったけど、これは違う。



今のは湊斗の声だ。


見れば、重たそうな瞼を開けた湊斗がぼんやりとした顔であたしを見つめていた。



「お、起きてたの!?」



「今起きた」



ムクリと上体を起こし、無防備な顔であくびする湊斗。


あたしはいろんな意味で、さっきから胸の動悸が鳴りっぱなしだ。



そうちゃんは目が覚めてしまったのか、気まぐれにどこかへ行ってしまった。



「何か用?」



「別に用なんてない。ただ寒そうだったからそれかけただけで……」



ゴニョゴニョと口ごもりながら、さっきかけたタオルケットを指差す。


それを見た湊斗はふと思いついたように言った。



「あ、俺と昼寝したいの?」



「誰がするかボケ!!」