いつも欠かさず身につけている愛用カメラを首からさげ、少しだけ老けたように感じる父が顔を出した。
「あ、お父さん!」
真守はスプーンを置いて、久々に帰ってきた父親の足元に抱きつく。
お父さんも、嬉しそうに立派な父親の顔をして真守の頭を優しく撫でた。
……真守、嬉しそう。
本当ならこれがいつも見られるはずの家族の光景なのに……真守は愛されるべき存在なのに……あたしのせいで、お父さんとなかなか会えないようになっちゃったよね。
罪悪感と、少しの羨ましさがあたしの心を支配する。
お父さんに愛されてる、羨ましさ。
「ただいま、メグ」
「おかえり」
お父さんは優しいから、表面上だけでもこうやって家族として接してくれる。
あたしはそれで十分だ。もう何も言わない。
……何も言えないよ。
お父さんを傷つけたのは、紛れもなくあたしなんだから……。



