「ああ、速水くん。おかえり」
「…………」
玲央は無視したけど、内宮先生が玲央のことを速水くんって呼んだ。
どうやらヤツの苗字は速水らしい。初めて知った。
速水玲央か。玲央……レオ、様……。
ふいに、あたしの頭の中に、雑誌に載っていた『オレ様レオ様の春の訪れ』が思い浮かぶ。
「ぶふっ!」
「なに人の顔見て笑ってんだよ!」
「ごめんごめん。今日、玲央の雑誌見てる子がいて……。玲央、モデルだったんだね」
「るせーな、黙れブス」
喋るだけでブス呼ばわりかい。まあ今更傷つかないけど。
「でも、ようやく納得がいったよ。モデルやってるからそんな格好して行動してるんだね」
「あれ、望月さん知らなかったの?速水くんは結構有名なモデルだから、望月さんの年代の子なら知らない人はいないと思ってたよ」
内宮先生が、驚いたようにつぶやく。
「あー、あたし、そういうのには疎くて……」
テレビとか雑誌とか見ないし、最近の情報っていうのもよく知らない。



