意味がわからず首を傾げたせいか、内宮先生はクスクスと笑った。
「望月さんは、鈍感なのかな?」
「え?」
「いや、なんでもないよ。早く作ろうか」
そうしてあたしの隣に立ち、すぐさま手を洗って下準備に取り掛かってくれる。
その様子を、あたしはぼんやりと横目で見惚れていた。
……なんだか、大人だなぁ。
落ち着きがあるというか、あたしのことも、さり気なくサポートしてくれる。
ちょっとだけ、心が軽くなる。
背負ってる肩の荷を、おろしてくれるみたいな。
――ガチャ。
ふいに部屋の扉が開いた。
「げ、不審者!」
「あ?」
昨日同様、サングラスにマスク、ニット帽をかぶって完全防備している玲央が帰ってきた。



