「もうすぐ昼休み終わるよ。戻らないの?」
「戻れたら戻る。無理ならサボる」
「なにそれ」
2階からこれだけの距離があるのに、あたしたちはなぜか他愛ない話をしていた。
「そういえば、湊斗、3日間もご飯食べてないって言ってたけど、なんで?いつも内宮先生が作ってくれるんじゃないの?」
「あー、管理人はたまーに顔出して作ってくれるけど、俺、写真で忙しいときは食うこと忘れてるから」
「嘘!?」
どれだけ写真に時間を打ち込んでるの!?
ご飯食べることを忘れるくらい夢中になれるの!?
……なんだか、お父さんみたい。
我が子を忘れてまで、写真を撮るお父さん……みたい。
わかってる。
湊斗とお父さんが違うことは、頭ではわかってるけど……あたしの心がどうしても、カメラを持つ人を否定する。
カメラは、あたしにとって脅威でしかない。



