父は一応、ちゃんとあたしと真守が生活できるお金だけは送ってくれる。
だけどその代わり、家に帰ってくることはない。
必然的に顔を見ることも少なくなった。
たぶん、あたしの顔を見るのがイヤなんだろうな。
その理由について、あたしはなんとなくだけど気づいている。
5年前に母が亡くなったときのことを思い出して、胸がチクリと痛んだ。
気持ちを誤魔化すように、真守とふたりで食べてる特性ずぼらオムライスを、パクッと口に含む。
特売で購入した安っぽい卵の味が口中に広がった。
――ガチャ。
そんなときだった。
ずっと帰ってこなかったくせに、このオンボロな家に忽然と父親が姿を現したのは――……。



