学校へ行く時間は、それぞれの好きな時間でいいらしい。
あたしは真守の支度をしてる最中に、制服に身を包んで慌てて部屋を飛び出した羽渕先輩に出くわした。
「あれ。羽渕先輩、もう学校に行かれるんですか?」
「あ、メグちゃん。うん、ちょっと早く行って終わらせなきゃいけないことがあって」
ニコッと優しげな笑みをたたえながらそう言った先輩は、背を向けて行ってしまう。
だけどまたすぐに立ち止まり、こちらを振り返った。
「そうだメグちゃん。昨日も言ったけど、俺のことは依でいいよ」
「え?」
「せっかく一緒に暮らすのに、名字ってなんか距離が遠く感じるから。だから、依って呼んで」
うーん。
言われた通りにしたいけど、さすがに先輩のことを下の名前で、しかも呼び捨ては難しい。
だから……。



