4月の夜空は、まだちょっと肌寒い。
ひと気がないことが、唯一の救いだった。
こんなにも涙でぐしゃぐしゃな顔を誰かに晒すのは、みっともないから。
「あーあ……これからどうしようかなぁ」
うつむきながら、弱音とも取れる独り言をつぶやいた。
夜風がそれを宙の中へ消すように運んでいく。
……心の中が、ぽっかりと穴があいたみたいに空虚になる。
瞼に貯まっていた涙が、ポロリと自分の膝の上に溢れ落ちた。
それと同時だったのだ。
「やっと、見つけた」
視線を落としていた自分の影に、目の前に立つ誰かの人影が重なったのは。



