「あなたに何がわかるの……?」
ワナワナと肩の震えが止まらない。
あたしの心の暴走も、留まることを知らない。
「……なんにも知らないクセにっ!」
それだけ叫んで、あたしは開きっぱなしのドアから飛び出していた。
後ろから「お姉ちゃん!」と叫ぶ声が聞こえたが、なりふり構ってられなかった。
外に飛び出た直後、ドンッと誰かと衝突してしまう。
「うわっ! ビックリした……大丈夫?」
見上げてみれば、背の高い凛としたキレイな顔の男の子と目が合う。
その隣には、眼鏡を掛けた優しげな面もちの男性もいた。
「あれ? 君は……」
だけどふたりは、あたしの顔を見るなり言葉を失ってしまった。
おそらくあたしが、涙を流していたから。
「あ、ちょっと!」
すぐさま顔を逸らし、あたしは見知らぬふたりの間を通り抜けて、駆け出した。



