「違う。今日からここの住人らしい」
「は? なんだよそれ。俺は聞いてねーぞ」
「俺も」
ふたりのやり取りに、あたしは戸惑う。
なに?ふたりは知り合いなの……?
「玲央……?」
真守は、怪しげな金髪男の服の裾を引っ張り首をかしげた。
その男はチラリと真守を一瞥すると、今度はあたしを睨む。
「こいつ、お前の弟か?」
「え、うん……」
嘘をつく理由もないので、おとなしくコクリと頷いた。
すると男は、「なるほどな……」と独り言をつぶやく。
「どおりで真守が、ここが新しい家って言い張るワケだ……」
ひとり納得したように、そんなことを自分に言い聞かせている金髪男。
言葉の内容からして、まるでワケあり荘が、自分の家みたいな言い方だ。
しかも、弟のことを真守と呼んでいるくらいには、弟と仲良くなったらしい。



