「なにがで…わっ!!」

「ごめんほんとごめん」

「いや、あの…」


なぜか抱き締められてます。
そして謝られてます。


「ゆきちゃん気づいてないよね」

「なにがですか?」

「今、俺に笑顔見せてくれた」

「え、いつも「心を開いた人にしか表情を見せない」

「…」

「俺さ、ずっとゆきちゃんに話しかけてたじゃん?」

「はい。うざったいくらいに」

「ははっ
はやくゆきちゃんと仲良しになりたかったんだ」

「え…」

「最初は無表情の子がどんな子か気になって、ひろの幼馴染みだって聞いて
何度も会わせてくれって頼んだ。
全部断られたけど」

「…」

「たまたまあのラーメン屋で会ったとき
ゆきちゃんはすごいキラキラした顔をしていた。
それは、ひろといたからだよね?」

「わかんないです…」

「たぶんそうなんだよ。
心を開いてる相手だから」

「…はい」

「俺が話しかけたら無表情になったんだ
すげー悲しくなった
でも、俺にもいろんな表情見せてくんないかなーて思ってさ
だから俺に向けられた笑顔がうれしくて」

「大袈裟…」