キーンコーンカーンコーン


「「「あっ!!!!」」」


すっかり忘れてた
学校だ!


「ゆき!桜!急ぐぞ!」

「うん!」

「あ、いま行く!
すみません名前もういいです。会うこともないと思うので
今日はすみませんでした。
あと、ありがとうございました!では!」


そう言って二人の方へ走ろうとしたら


「わわっ」


腕をつかまれました。


「もう会えないなら今のうちに捕まえとかないと」

「ゆき!」

「君たちさ先生に言っておいて?



"白馬の王子さまがゆきを迎えに来た"って」


ゆきって呼ばれた瞬間からだが熱くなったような…


ってそんなことを言ってる場合では!!


「ほら行くよ」

「いや、学校があるので…」

「お礼。してくんないの?」

「うぐっ…」


この人にはすごく迷惑をかけた。

うーん。しらないひとについてったら
お母さんに怒られそうだけど

しょうがない!


「ひろ!陽!
この人にはお礼をしたいから
白馬の王子さまについていったって言っといて!」

「なっ!」

「そんな!」

「ごめん!行きましょう王子さま!」

「…そうだねお姫さま

"運命の人"ってのもありだったかな」


若干笑ってますよね?

でも、嘘くさい笑顔とはちがう。
自然な笑顔

その顔のほうが素敵ですよ。


「姫、乗ってください」


あ、もう嘘くさい笑顔に戻ってる

詐欺師みたい…。

この笑顔でどれだけのひとを騙したのだろう…

特に女の方でしょうね。

顔だけで言ったら文句なしのお顔ですもんね。

女の方にモテモテなのでしょうね。むかつきますね。

なんでムカつくのかわからないけどムカつきます。


「ちょっとスピードだすよ
あの二人が追いかけてきてるから
まぁ、追いつくわけないんだけど」


白馬の王子さまの乗り物は

"馬"

ではなく

普通に車です。


「ごめんね二人とも…」