Special coffee, with you.【番外編追加】

「私のわがままなんです」

「わがままですか?」

「はい・・・ただのやきもちです」

「やきもち・・・」

「だって安藤さん、もてるから」

ブツブツ愚痴を言うようにつぶやいてそう伝えると、安藤さんからの言葉が何も返ってこない。

うつむきながらパチパチと瞬きをして、思考を巡らせる。

どうしよう・・・。安藤さん引いちゃった?呆れちゃった?

不安になって顔を上げようとした時、左手が温かいものに包まれた。

安藤さんの手だ。

手を握られた事に驚きビクッとすると、そのまま恋人繋ぎのように指を絡められ、軽く引っ張られてそのまま歩き始めた。

さっきお店から連れ出された時は腕を引かれたのに、今度は手を繋いでいる。

隙間もない位にピッタリと。

何故手を繋ぐのか、どこに向かって歩いているのか分からず、何も言ってくれない安藤さんを見上げながら問いかける。

「あの・・安藤さん。どこへ向かっているんですか?」

そう聞くと安藤さんは、振り向かずに前を向いたまま答えた。

「すぐそこのコインパーキングに車を停めてあるので」

「あ、そうなんですか」

「はい、とりあえず冷静になる為に。・・・今向き合うと貴方を抱きしめてしまいそうなので」

「えっ!」

何で?抱きしめるってどういうこと?

安藤さんの突飛でもない言葉に思いっきり目を剥いて驚き、足が止まってしまった。

そんな私を見る安藤さんの眼差しはとても優しい。

そして私を誘導するように繋いだ手を軽く引いて、また歩き出した安藤さんに私はついて行った。