Special coffee, with you.【番外編追加】

テーブルに置かれた真っ白なコーヒーカップを手に取って香りを嗅いでから一口飲む。

うん、美味しい。

美味しいけど、前はこのコーヒーが大好きだったけど・・・・やっぱり安藤さんのコーヒーが私は好き。

安藤さんのコーヒーを思い出して、つい小さなため息をついてしまった。

「茉優さん、美味しいですか?」

今のため息を聞かれてしまったのか、樹里ちゃんが聞いてきた。

コーヒーが不味くてため息をついたと思われたかな?

「うん、美味しいよ」

笑顔を見せて答えると、樹里ちゃんは顔を寄せて今度は小さな声で聴いてきた。

「え~じゃあ、オーナーのコーヒーとどっちが美味しいと思います?」

「・・・・・」

いたずらっ子のような可愛い顔で、私を困らす質問をする。

近い距離で視線が合ったまま無言になる私に、首を傾げながらもう一度「どっち?」と聞いてきた。

「それは・・・安藤さんのだよ」

嘘はつけない。

安藤さんのコーヒーが大好き。

私の答えを聞いた樹里ちゃんはにっこり笑って「よかった、安藤さん喜びますよ」と言って航太くんに「ねー、航くん」と同意を求めた。

そしてミックスジュースのストローで中の氷をカラカラ音させながら続けて言った。

「だってうちで茉優さんに出しているコーヒーはスペシャルブレンドなんですよ」

「ん?」

樹里ちゃんの言っている事がいまいち分からなくて、今度は私が首を傾げる。

すると航太くんが「樹里」と静かな声で樹里ちゃんを制止したけど、樹里ちゃんは意に介さないように続けた。