「カウンターの席が空いたら移動しますか?」
私が席に着くと航太くんがそう聞いてくれた。
「えっ、大丈夫大丈夫。ごめんね、ここでいいよ。んーっとブレンドお願い」
「はい、少しお待ちください」
そう言うと一礼して下がって行った航太くん。
その後姿を見ながら感心する。
クールで口数が多い方じゃないけど、気が利くなあ。
むしろ気を使わせてしまって申し訳ない。
こんなに混雑しているのに気を使ってもらっちゃったな。
そう思いながらも地味に落胆する。
この席からカウンターにいる安藤さんの姿は全く見えない。
雑誌を見て安藤さん目当てに来る人が多いからこそカウンター席は人気になり、座れる確率も低くなっている。
今度はいつあの席に座れるのかなぁ・・・。
ボーッと眺める先には沢山のお客さんがいる。
少し経った頃、航太くんがコーヒーを運んできてくれた。
「お待たせしました」
テーブルに置かれた私のお気に入りの青磁のコーヒーカップ。
湯気と共に香りが広がる。
「ありがとう、いただきます」
笑顔でお礼を伝えると、「佐野さん」と航太くんに珍しく苗字で呼ばれて驚く。
すると顔を少し寄せて微笑んだ航太くんは、
「ゆっくりしていってくださいね・・・ってオーナーから伝言です」
そう言うと戻って行った。
「・・・あ、はい」
遅れて返事をしてから、コーヒーカップを持って一口飲む。
安藤さん、そんなこと言ってくれたんだ・・・優しいなぁ。
そんな優しさを知ると切なくなる。
これからも安藤さんのお客さんがどんどん増えていく。
カッコイイだけじゃない、安藤さんの優しさを知ればみんなもっと夢中になる。
そんな人が増えれば、私はどんどん埋もれてしまう。
華やぐ店内でポツンと1人で席に座る自分を想像する。
遠くで見ることもできない位置に私は押し出されてしまうのかもしれない。
私が席に着くと航太くんがそう聞いてくれた。
「えっ、大丈夫大丈夫。ごめんね、ここでいいよ。んーっとブレンドお願い」
「はい、少しお待ちください」
そう言うと一礼して下がって行った航太くん。
その後姿を見ながら感心する。
クールで口数が多い方じゃないけど、気が利くなあ。
むしろ気を使わせてしまって申し訳ない。
こんなに混雑しているのに気を使ってもらっちゃったな。
そう思いながらも地味に落胆する。
この席からカウンターにいる安藤さんの姿は全く見えない。
雑誌を見て安藤さん目当てに来る人が多いからこそカウンター席は人気になり、座れる確率も低くなっている。
今度はいつあの席に座れるのかなぁ・・・。
ボーッと眺める先には沢山のお客さんがいる。
少し経った頃、航太くんがコーヒーを運んできてくれた。
「お待たせしました」
テーブルに置かれた私のお気に入りの青磁のコーヒーカップ。
湯気と共に香りが広がる。
「ありがとう、いただきます」
笑顔でお礼を伝えると、「佐野さん」と航太くんに珍しく苗字で呼ばれて驚く。
すると顔を少し寄せて微笑んだ航太くんは、
「ゆっくりしていってくださいね・・・ってオーナーから伝言です」
そう言うと戻って行った。
「・・・あ、はい」
遅れて返事をしてから、コーヒーカップを持って一口飲む。
安藤さん、そんなこと言ってくれたんだ・・・優しいなぁ。
そんな優しさを知ると切なくなる。
これからも安藤さんのお客さんがどんどん増えていく。
カッコイイだけじゃない、安藤さんの優しさを知ればみんなもっと夢中になる。
そんな人が増えれば、私はどんどん埋もれてしまう。
華やぐ店内でポツンと1人で席に座る自分を想像する。
遠くで見ることもできない位置に私は押し出されてしまうのかもしれない。



