お会計のお金を渡すと、お釣りを返してくれながら「佐野さん」と名前を呼ばれた。
「はい?」
返事をして手元から安藤さんの顔へと視線を移す。
「せっかく来て頂いたのに、ゆっくりして頂けなくて申し訳ありませんでした」
そう言って少し頭を下げた安藤さんを慌てて止める。
安藤さんが謝るなんて、そんなの違う。
「そんなことないですよ!美味しいコーヒーもグラタンも堪能できました。またゆっくりしに来ますね」
「はい、お待ちしてますね」
久しぶりに安藤さんと話すことができた嬉しさで、頬が赤く染まってしまうのを誤魔化すように話題を変えた。
「そうだ、私も雑誌見ましたよ」
「え?、ああ・・見られましたか?」
照れなのか苦い顔をした安藤さんに私は思わず笑ってしまった。
普段見せない表情はまた新鮮で、ああこんな顔するんだなって思う。
「はい、この前ここで一緒に飲んだ同僚が買った雑誌に、プレシャスが載っているって教えてくれました」
「そうですか。あれはたまたま友人に頼まれたので・・。今回だけという約束で掲載してもらったんです」
「沢山の方に来て頂けたから、よかったじゃないですか」
にこやかに返す私の口は嘘をつく。
プレシャスにとっては人気店になることは喜ばしいこと。・・・だけど安藤さんファンが増えることに複雑な気持ちが増幅する。
「そうですね、でも・・・」
と安藤さんが何か言おうとした時、奥の席から「すいませーん!」と声がかかった。
「あっ、どうぞ行ってください」
「でも、えっと・・」
安藤さんはやや困惑気味に樹里ちゃんと航太くんの姿を探すけど、生憎樹里ちゃんはカウンターでパフェを作り、航太くんはテーブル席でオーダーを取っている。
ここで安藤さんを足止めしたら迷惑をかけてしまう。
だから私は頭を下げて「ごちそうさまでした」と告げると「あ・・」と安藤さんが何か言おうとしたのを感じた。
それでも後ろ髪を引かれる思いでお店を後にした。
「はい?」
返事をして手元から安藤さんの顔へと視線を移す。
「せっかく来て頂いたのに、ゆっくりして頂けなくて申し訳ありませんでした」
そう言って少し頭を下げた安藤さんを慌てて止める。
安藤さんが謝るなんて、そんなの違う。
「そんなことないですよ!美味しいコーヒーもグラタンも堪能できました。またゆっくりしに来ますね」
「はい、お待ちしてますね」
久しぶりに安藤さんと話すことができた嬉しさで、頬が赤く染まってしまうのを誤魔化すように話題を変えた。
「そうだ、私も雑誌見ましたよ」
「え?、ああ・・見られましたか?」
照れなのか苦い顔をした安藤さんに私は思わず笑ってしまった。
普段見せない表情はまた新鮮で、ああこんな顔するんだなって思う。
「はい、この前ここで一緒に飲んだ同僚が買った雑誌に、プレシャスが載っているって教えてくれました」
「そうですか。あれはたまたま友人に頼まれたので・・。今回だけという約束で掲載してもらったんです」
「沢山の方に来て頂けたから、よかったじゃないですか」
にこやかに返す私の口は嘘をつく。
プレシャスにとっては人気店になることは喜ばしいこと。・・・だけど安藤さんファンが増えることに複雑な気持ちが増幅する。
「そうですね、でも・・・」
と安藤さんが何か言おうとした時、奥の席から「すいませーん!」と声がかかった。
「あっ、どうぞ行ってください」
「でも、えっと・・」
安藤さんはやや困惑気味に樹里ちゃんと航太くんの姿を探すけど、生憎樹里ちゃんはカウンターでパフェを作り、航太くんはテーブル席でオーダーを取っている。
ここで安藤さんを足止めしたら迷惑をかけてしまう。
だから私は頭を下げて「ごちそうさまでした」と告げると「あ・・」と安藤さんが何か言おうとしたのを感じた。
それでも後ろ髪を引かれる思いでお店を後にした。



