憧れの制服に身をまとった私。 体全体が映る鏡に向かって笑顔の練習をしている私。 すべてが夢のようだった──── 「お母さん。行ってきます。」 そうお母さんの仏壇の前で告げ玄関へと向かう。 お母さんは二年前交通事故で亡くなった。 結局は相手の信号無視だった。 お父さんは私が生まれる前に亡くなってるし今この家に住んでいるのは私と私の弟の、哉汰(かなた)だけだった。 家事全般は私が受け持っている。