「アナタに伝えたいコトがありマス」 「何?」 ロンドはフェンスを抜け、一度戻ってきた。 「ボクはアナタを愛していマシタ」 「わたしもよ」 「昔カラ」 「……」 「かつてボクが、アナタの幼なじみだった、高村輪という人間だったトキカラ」 「…………知ってるわ」 ロンドは、腰を屈めて、唇をわたしの唇に重ねた。 ロンドの唇の感覚が無くなったとき わたしは トンと地面を蹴った。 さよなら。 お母さん、お父さん、拓海。 今までありがとう。