溢れるくらいに君が好き

「ひまり。優、そこにいるぞ?」
ニヤニヤしながら翼くんが言った。
「えぇ?ひまり行かなくていいの?」
同じくニヤニヤしながら言う、花音。
優こと如月優(きさらぎゆう)は私の想い人。
成績優秀の生徒会役員。
真っ黒な髪にくっきりとした大きな目。高い鼻。締まった唇。
翼くんには叶わないけど、優もイケメンだと思う。
とっても不思議くんなんだけど、私が本当に好きな人。
でも…
「無理無理無理!!私が話せないの知ってるよね!?」
そう、私は優に話しかけることが大の苦手。
だって緊張するし、何話していいかわからないから…。
「俺が呼んできてあげようか。」
翼くんはいつもそう言う。
だけど、いいんだ。優は私のこと好きじゃないから迷惑だもん…。