目の前に光輝の綺麗な顔が迫る。
幼馴染みなのに…こんなにドキドキするのは何故?
自分のことなのに未だに分からない。
そして光輝の形のいい唇がゆっくりと動いた。
「いけないこと…しちゃう?」
「……っ!」
体がぞくっとするのが分かった。
それは光輝の言葉だけじゃない。
光輝が…あたしの唇にそっと人差し指で触れてきたから。
「は、放してっ……!」
「……って」
耐えきれなくなったあたしは光輝のことを突き飛ばしていた。
あっさりと離れた光輝と目を合わさないように俯く。
うるさい……心臓。
みんなにこんなことしてるんだから、ドキドキするだけ無駄なんだって。
無理矢理そう言い聞かせていると、頭上でくすっと笑う声が聞こえてきた。
「あーあ、再会した時は
顔真っ赤にして可愛かったのに」
「っ……誰か分かんなかったの!」
今となっては思い出したくもないことだ。
光輝に恥ずかしい一面を晒してしまったのだから。

