相合い傘~俺様な彼と最悪な再会~【更新中】



目の前に光輝の綺麗な顔が迫る。


幼馴染みなのに…こんなにドキドキするのは何故?


自分のことなのに未だに分からない。


そして光輝の形のいい唇がゆっくりと動いた。


「いけないこと…しちゃう?」


「……っ!」



体がぞくっとするのが分かった。


それは光輝の言葉だけじゃない。


光輝が…あたしの唇にそっと人差し指で触れてきたから。


「は、放してっ……!」


「……って」



耐えきれなくなったあたしは光輝のことを突き飛ばしていた。


あっさりと離れた光輝と目を合わさないように俯く。


うるさい……心臓。


みんなにこんなことしてるんだから、ドキドキするだけ無駄なんだって。


無理矢理そう言い聞かせていると、頭上でくすっと笑う声が聞こえてきた。


「あーあ、再会した時は
 顔真っ赤にして可愛かったのに」


「っ……誰か分かんなかったの!」



今となっては思い出したくもないことだ。


光輝に恥ずかしい一面を晒してしまったのだから。