「お母さんね、雫は光輝君とだったら
 どうなっても構わないから」



なあぁあぁぁぁっ!?


これが親からの言葉なのっ?


本当に信じられない。


……いや、お母さんの光輝のお気に入りっぷりからしたら信じられないこともないけど。


でも、それだけじゃない。


お母さんの言葉を聞いていたお父さんまで、こんなことを言い出した。


「そうだ、お父さんも大歓迎だぞ」


「なるか、アホっ!」



お父さんまで……ああ、もう。


見えなくなってきた希望の光に、早速挫折しそうだ。


ああ、神様。


あたしは今夜どうなってしまうのでしょうか?


かなりテンションが下がっているあたしに構うことなく、そのまま二人は温泉旅行へと旅立ってしまった。


「お土産買ってくるからさー」



なんて軽い台詞を残しながら。


てか、あたしもう高校生なんだしお土産ぐらいじゃ釣られないし。


そう思いつつ見送った玄関の鍵を閉め、リビングに入る。


すると、中で優雅に本を読んでいる奴の姿を発見した。