デートも無事に終わった、次の日の日曜日のこと。


「え。」



朝一で固まっているのは、紛れもなくあたし。


そんなあたしの前にいるのは、にこにこご機嫌そうなお母さんだ。


「今…何て?」


「だーかーらーっ!

 今日はお父さんと二人で
 温泉旅行に行ってくるから」


「は!?お父さん明日会社じゃん」


「有休もらったのよ」



お母さんはるんるんと鼻歌を歌っているけれど、あたしはそれどころじゃない。


ま、まさか……


あたしにあの変態の相手をしろと!?


……あ、今のは断じて変な意味じゃないからね。


「冗談じゃ…」


「たまには二人で息抜きさせてよーそれに……」



にやっとあたしに顔を近づけてきたお母さんに、あたしはうっと息詰まる。


顔からして何を言われるか分かっているから、たまったもんじゃない。


そして案の定、お母さんは予想通りかつ普通の親じゃあり得ないことを言ってきた。