うーん、暇だなあ。
お店でも見てようかな?
辺りを見回すと、ふとあるお店に目が留まった。
ここからさほど離れていないそのお店のショーウィンドウに、ふらりと近づくあたし。
中にあった一着の服に釘付けになる。
「わ…」
あたしに思わず声を漏らさせたのは、胸元に大きなリボンが付いた赤いチェック柄のワンピース。
すごく可愛い……。
チェックが元々好きなあたしが、このワンピースの虜になるのは当然のことだった。
でも、視線を下にずらして唖然とする。
げっ……嘘。
このワンピース…15000円もするの!?
欲しい、と思っていた気持ちが一気に萎んでいく。
こんな高い服、あたし達の歳じゃ絶対に買えないよ。
……似たようなの探すか。
もっと安いのあるよね。
そう思って別のお店でも見ようかと思っていた時。
「っ、」
背後から伸びてきた手にあたしの肩は掴まれていた。

