今回のは別に変な頼みじゃなさそうだ。
しかもあたしは光輝の言うことを聞かないといけない立場だし。
聞いてみるか。
「どうしたの?」
あたしがそう聞くと、困ったように頭を掻く光輝。
「……母さんに送れって言われたけど、
ぶっちゃけよく分かんないんだよな」
「うん」
「だから一緒に見てくんねぇ?」
「いいけど」
なんだ、そんなことか。
本当に大したことじゃなかった。
それよりむしろ、意外と光輝が親孝行者だったことに感動する。
そして光輝に連れられて店内に入る。
光輝から聞いた話で大体欲しいものが分かったあたしは、ふさわしそうなものを選んであげた。
店内に入って思ったけど、かなり高級な化粧品ばかりで。
正直、戸惑ってしまったけれど光輝のお母さんからしたら普通なんだろうな。
……ちょっと羨ましかったりもする。
ラッピングをしてもらったのを確認して店を後にしたあたし達。
「さんきゅー」
「いーえ」
「ちょっと送ってくるから、この辺で待ってて」
「うん」
そう言って光輝はそのまま宅急便屋に走っていってしまった。

