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電車に乗って数駅。
あたし達の歳では結構人気のショッピングセンターに着いた。
休日ということもあってか、放課後に来る時よりも人が多い。
誰かに会わないかな…クラスの人とか。
あたしが気にしているのにもかかわらず、光輝は恋人繋ぎでどんどん進んでいく。
しかもなんとなく歩幅を合わせてくれている気がして、ちょっとだけ嬉しくなる。
……本当にちょっとだけだからね?
それにしても……落ち着かない。
さっきから行き交う人達があたし達に向けてくる視線。
……いや、正確に言えば光輝に対する視線。
それがかなりの数だから、自分ではないとは分かっていても恥ずかしい。
な、なんか…デートっぽいし。
下手したら彼女って思われても仕方ない状況だ。
「……なあ」
あたしが変なのに気づいたのか、光輝があたしを見つめてくる。
突然のことにビクッと体が跳ねたあたしは、自分よりも身長の高い光輝を上目遣いで見上げた。
「な、何よ……?」

