「あ?」
小さく呟いた声は聞こえなかったらしい。
これでも一生懸命言ったつもりだったのに。
恥ずかしさで顔が赤くなるのが分かる。
でも、一応言った方がいいよね…?
「…あ、ありがと……」
「っ!!」
光輝が驚いたように目を見開く。
うぅ……恥ずかしい。
何年ぶりだろう?
人にしっかりとお礼を言うのは。
でも、言ったらなんだか心が晴れた気がして。
気づけばあたしの顔には笑顔が浮かんでいた。
「嬉しかったよ…光輝」
「っ、」
あたしがそう言うと、何故か目を逸らしてしまった光輝。
なんだよ、あたしがせっかく感謝してるのに。
「……いつもは笑わないくせに」
「えっ、何?」
「何でもないし」
うわ…感じ悪い。
教えてくれたっていいじゃん。
この時、光輝の顔が少し赤かっただなんて…拗ねていたあたしに分かるはずもなかった。
しばらく経って、光輝が顔を上げてあたしを見つめる。

