「秀明かっこ悪ーい」
「……うるせ」
望先輩の楽しそうな声に、痛そうな頬を擦りながら神山先輩が呟く。
かなり光輝の言葉が屈辱的だったようだ。
光輝をバカにするように言い放つ。
「綺麗事だけ言えばいいとか思ってんのか?」
「何が綺麗事だよ。すべて事実だろ?」
神山先輩の言葉に負けじと光輝は言い返す。
てか、光輝完全に相手が先輩ってこと忘れてるよね。
まあ、今となっては敬意を払いたいとも思えないし…光輝も最初から払うつもりもないだろうけど。
でも、神山先輩は光輝に勝てないと思ったらしい。
代わりにあたしの方に向き直って吐き捨てる。
「こんな顔だけでつまんない女、
誰が好きになるんだよ」
「っ!」
「行くぞ、望」
「う、うん」
そのまま神山先輩は望先輩の腕を引いて、この場を去っていってしまった。
残されたのは、呆然としているあたしとため息をついている光輝のみ。
そんなあたし達を暮れかけた夕日のオレンジの光が、優しく包んでいた。

