「雫は付き合ってみると、
意外に固くてさ?
俺の予想とは違ったんだよ」
何、それ。
そんなのそっちの勝手じゃないか。
自分が顔で近づいたくせに、合わなかったらポイッてするの?
そんなのあんまりだ。
ぎゅっと自分の手を握りしめると、手に汗をかいていることに気づく。
そんなあたしに気づかずに神山先輩は続ける。
「俺は甘えてくる望みたいなやつがいいんだよ」
そう言って、横にいる綺麗な望という先輩を抱き寄せる。
抱き寄せられた望先輩はあたしのことを見て、勝ち誇ったような顔をした。
二人してあたしのことを陰で笑っていたのだろうか。
すごくバカみたいだ。
「雫みたいに一生懸命なやつ、
俺にはダメみたいだしさ」
「ちょっと秀明~」
先輩がさらっと言った言葉は、あたしの胸にぐさっと刺さった。
そして、横にいる望先輩が甘ったるい声で神山先輩の名前を呼ぶ。
すると、嬉しそうな顔をして神山先輩は望先輩を見つめた。
……何よ。
あたしにはそんな嬉しそうな顔をしたことない。
あたしもそうやって甘えれば、先輩は満足してくれたの?

