「あっ、おいっ!!」
焦ったような光輝の声が後ろから聞こえてきたけど、そんなの関係ない。
あたしの足は止まらない。
走り出してたあたしの目的地は、もちろん神山先輩のところだ。
――――――また、騙された。
その認識が、あたしの心を傷つける。
あたし……何がいけないのかなあ?
いつも考えるけど分からない。
―――――浮気される原因が。
あたしなりに相手に尽くしてるつもりで、嫌われないように頑張っているつもりなのに。
いつも相手の人はあたしから離れてしまう。
そして、新しい女の人のところに行ってしまうのだ。
『さよなら』を言われるのは、いつもあたしの方。
あたしから『さよなら』を言ったことはない。
言おうと思ったこともない。
だって、本当にあたしは好きだから。
一回一回があたしにとって大切な恋愛だから。
だから『さよなら』を言われてから、しばらく引きずってしまう。
本当にバカだよね。
………ダンッ!
先輩達がいちゃついているところから、数メートル離れた場所に大きな音を立てて止まる。
その音に気づいて、二人はいちゃつくのを止めてこっちを見た。
そして、あたしはすっと息を吸う。

