グッと踏み込んではみるものの、うまく体に力が入らない。
何か言ってやりたいけれど、キス初心者のあたしには刺激が強すぎて。
立て直すのには時間がかかりそうだ。
それに対して、まったく息が切れていないどころか余裕そうな光輝。
見ているだけでキス慣れしているのだと分かった。
「……どう?俺のキス」
そう言いながら唇をぺろっと舐める光輝は、本当に色っぽくて。
女の子が虜になるのも、なんとなく分かる気がした。
……認めたくはないけど。
何も言わないあたしをいいことに、光輝がさらに距離を縮めてくる。
そして、あたしの両頬を手で包んで上向かせてきた。
「エッロい顔。
意外と女っぽい顔もできんじゃん」
「っ、」
くっそ……
こいつに振り回されると、本当に腹が立つ。
てか、こんなにキスしてくるのって……。
「光輝、あたしのこと好きなの?」
「は?」
怪訝そうな顔をする光輝の前、あたしは睨みつつ尋ねる。
だってキスって好きな女の子にするものでしょ?
本当はあたしのこと好きだったりして。
でも、嬉しくないけどそんな考えを持ったあたしが甘かった。
「……はっ」
バカにしたように目の前の光輝が笑う。
思わずムッとすると、光輝はゆっくりと口を開いた。

