もういい。
こいつには自分からは関わらないようにしなきゃ。
何されるか分かったもんじゃない。
そう心に決めて、ふと窓の外を見た時。
「……あっ」
嬉しくて思わず声を上げる。
だって神山先輩が家の前に来てくれるのが見えたんだもん。
嬉しくないわけないじゃん!
ルンルン気分で2階に行き、鞄を取ってくるあたし。
そして玄関に向かう前に、リビングに行ってお母さんに言った。
「いってきまーす」
「雫、ご飯は?」
「もういいよ~大丈夫」
「ちょっと!」
「……」
無言かつ無表情な光輝が目についたけど、関係ない。
神山先輩を待たせるわけにはいかないのだから。
「先輩っ」
「お、雫……おはよ」
「おはようございますっ」
笑ってあいさつすると優しく微笑んで、あたしに手を差し出してくれる先輩。
嬉しくなって、あたしもその手を握り返した。
「雫……実は今日も部活なんだよね」
「あ、そうなんですか……」
「待っててくれたりすんの?」
「もちろんですよ!」
「……そっか、じゃ屋上で待ってて?」
「はいっ!」
珍しく先輩から待ってて、と言われて嬉しくなったあたし。
でも、まだ気づいていなかった。
今日の放課後に起こる事件に……。

