ため息を漏らしつつ、諦めてリビングにあるソファーに向かおうとする。
でも……そんな短距離の間に、信じられないことが起きた。
「っっ!?」
急に感じる違和感に体がゾクッとする。
恐る恐る下を見れば、制服ごしにあたしの胸の膨らみに触れる手が後ろから伸びていた。
かっちーん
もちろん犯人が誰かなんて分かっているから、あたしは口を痙攣させる。
こいつ……
人の家に住めることになって、明らかに調子に乗ってるよね。
てか、犯罪じゃないっ!!
怒りが爆発する寸前の状態で振り返れば、そこにいたのはやっぱり光輝で。
けろっとしたその顔にムカついたあたしは、一発殴ってやろうと手を上げた。
でも……
「こらっ、雫!!」
その試みはお母さんの怒鳴り声によって、阻止される。
やつの頬に触れる前に止まった手。
それを横目で見て、光輝はお母さんに分からないようにニヤッと笑ってみせた。
そういうことか。
こいつはこれを狙っていたんだ。
「あんたねっ……」
「雫はまたそうやって光輝君を苛めて!
いい加減にしなさいっ!!
ごめんなさいね、本当に……」
「いえ、元気なのはいいことです」
むっかー!!
本っ当にムカつく!!
一発どころか百発くらい殴ってやりたい気分だ。
これじゃこいつのやりたい放題……いや、触りたい放題じゃないか。
あたしの身の安全は完全に保障されてない。
自分の身は自分で守れってことか。

