制服に着替え終わって髪をとかして一階に下りる。
リビングに入ると、光輝とお母さんが楽しそうに会話を弾ませていた。
……どっちかというと、お母さんが楽しそうって言った方が正しいけどね。
でも、一番目についたのは光輝の笑顔。
何よ、あんなにいい人ぶっちゃって。
この二重人格め。
あたしには意地悪そうな笑顔しか見せないくせに。
別に羨ましいわけじゃない。
でもあたしにだけ態度が違うのは、やっぱり気に食わなかった。
まぁ、復讐するって言ってるくらいだから……あたしのことは相当嫌いなんだろうけど。
そうこうしているうちに、会話が終わって光輝がお手洗いに入っていく。
その隙にあたしはキッチンにいるお母さんに話しかけた。
「ちょっと、お母さん!」
「あら、雫……やっと起きたのね」
え、さっきの光輝に対する態度はどこにいったの!
そんなことは今はどうでもいい。
もっと聞きたいことがあった。
「なんで光輝がこの家に平然としているのよ?」
「あら、言ってなかったっけ?
光輝君、一人で日本に帰国してるから
この家で預かることにしたのよ。
光輝君のお母さんにお願いされたの」
「はあ!?
なんでそんなに大事なことを
あたしに言わないのっ」
「問題ないでしょ?
あんたなんかには間違っても
光輝は手を出さないわよ。
まぁ、お母さんとしては
手を出してほしいけど」
母親の言葉とは思えない言葉に、あたしは脱力する。
こりゃもう何を言ってもダメだ。
完璧に光輝に騙されているから。

