ど、どうすればいいのっ!?
心の中で葛藤していると、光輝がしゃがみ込んであたしと目を合わせてくる。
そして、挑発的に微笑んで言った?
「ほら、言ってみろよ」
「な、んで……」
「何……もしかしてキスされたいの?」
「ち、ちがっ……」
「なら呼べるだろ?」
光輝の強制的な流れの対処方法が分からずに、ぎゅっと唇を噛み締める。
男の子とあまり関わりのないあたしにとって、呼び捨てにするということは至難の業だった。
そもそも……呼び捨てってカップルとかがするもんじゃないの?
でも……幼馴染みだから有りなのかな。
いらないことを考えて黙っていると……
「早く言わないとキスするから。
さーん……」
なんと光輝はカウントダウンをし始めたのだ。
この……悪魔めっ……!
「にーい……」
あーもうっ!
分かったわよ、呼べばいいんでしょ!?
「いー……」
「こ、こうき……」
楽しそうにカウントダウンをする光輝を遮って、あたしは恥ずかしながらも名前を呼んだ。
すると、カウントダウンを止めた光輝。
よかった……なんて思えたのは一瞬のことだった。
「聞こえないんだけど?」
「なっ……」
「……早く。……いーち、ぜ……」
「っ、光輝っ!!」
焦ってやけくそになって叫ぶと、目の前にいる光輝が満足そうに微笑んだ。
それを見て、なんとも言えない敗北感に襲われる。
何をしてるんだ……あたしは。
結局、あたしはこいつに乗せられてるじゃないか。
「これからちゃんと呼べよ?
じゃ、また」
そう言って楽しそうに部屋を出ていった光輝のことなんか、落ち込んでいるあたしには気にする余裕もなかった。
あたし……これからどうなっちゃうの?
そんなことを考えていたあたしは、しばらくの間ベッドから立ち上がることができなかった。

