相合い傘~俺様な彼と最悪な再会~【更新中】



自分の唇に触れていたのは、光輝の唇で。


それがキスだと気づくのに時間はかからなかった。


う、そでしょ……?


脳内でパニックが起きる。


なぜなら……あたしにとってこのキスは、ファーストキスだったのだから。


激しいキスではなかったけれど、決して短いとは言えないキスにあたしは泣きそうになる。


最低っ……!


「はっ、なしてっ!!」



一瞬の隙を狙ってそう叫ぶと、意外と容易く光輝は離れた。


そして、自分の唇をペロッと舐めながらあたしを見下ろしてくるやつは……認めたくないけど、色っぽい。


軽く酸欠状態になっているあたしの前、光輝はゆっくりと口を開いた。


「有言実行タイプなんだよね、俺」


「っ……」


「お前のファーストキス、貰っちゃった。

 俺のこと嫌いなお前にとって、
 最高の復讐方法だろ?」


「っ、ファーストキスじゃないもん!」



気づいたらそんな嘘を口走っていた。


「は?」



光輝が少し不機嫌そうに顔を歪めたのなんて、あたしには関係なかった。


ただただ悔しい。


こんなやつにファーストキスを奪われたという事実を、あたしは認めたくないのだ。


ファーストキスは好きな人とする、ってずっと憧れていたのだから。