「ちょっと、どういうつもりよ」
あくまで冷静に光輝を見上げる。
動揺していることなんて悟られたくなかった。
バレたら絶対に何か言われるのは分かっているから。
あたしがツンとしているのを見て、光輝はいつものように笑う。
そして、あたしの顔にぐっと自分の顔を近づけてきた。
光輝の吐息で前髪が揺れる。
あたしはというと、光輝の顔は見ずに少しだけボタンの開いた胸元に目を向けていた。
「まぁ、これからお世話になるし……
あいさつでもしとこうかと思って」
これがあいさつ?
海外に行って頭の中まで外人になったんじゃないの。
なんて嫌味が浮かんできたけれど、ぐっとこらえる。
こいつのことを蹴りあげたいという気持ちはあるけれど、残念ながらやつの長い足が両足の間に入っているから無理だ。
てか……
こいつ、これからお世話になるって言ったよね?
「お前の母さんがOKしてくれたんだぜ」
その言葉にため息を漏らす。
やっぱり……この家に住むということか。
多分同じ部屋というのはあり得ない……というか、あたしが絶対にさせないけど。
ここまでこいつと関わらなきゃいけないことに対し、あたしは半ば諦めかけていた。
そして、目の前の光輝が話すのを待っているようだから仕方なく口を開く。

