そう聞いてきたあいつは無表情だった。
いつもはこんな表情をしないから、少しだけ怯む。
てか、なんでこんなやつに神山先輩との関係を聞かれなきゃいけないんだろう。
言う必要性を感じないよね。
「あ、あんたには関係ないでしょ?」
強気で言ったつもりだったのに、どこかで怖じ気づいてしまっていたらしい。
自分が放った言葉は思ったよりもどもってしまった。
少し恥ずかしいと思ったけれど、強気にやつのことを見下ろす。
すると、今まで無表情だった光輝が口角を上げたのが分かった。
「ふっ……まぁいい」
あれ……聞いてこないんだ?
思ったよりも簡単に引き下がった光輝に、拍子抜けするあたし。
だけどその直後に、光輝は信じられない言葉を口にした。
「今夜もどうせ会うし?」
「は?」
光輝の言葉にポカンとしたあたし。
何を言っているんだ、こいつは。
とうとう頭がおかしくなってしまったのだろうか。
「何でよ?」
「さぁ……何ででしょう?」
うっわ……
あたし質問に質問で返事するやつ、大嫌いなんだよね。
答えようとしない光輝にいらっとしたけれど、なんとか踏みとどまる。
こんなことでイライラしてたらきりがないから。

