「俺、今日部活入っちゃってさ……」
「あ……」
先輩はバスケ部だ。
だから毎日部活は忙しいし、もしない日でもいきなり部活が入ったりする。
こんなことも日常茶飯事だった。
「待ってますよ?」
「えっ、でも5時くらいになるよ?」
5時か……。
ちょっと遅いな。
今は冬だから日が暮れるのも早いし、教室で待つのも寒いだろう。
だけど……
「待っててもいいでしょう?」
「……ありがとう。
終わったらすぐ戻るから」
やっぱり待っていたくて、気づけばそう言っていた。
一瞬、無言になった先輩だったけれど優しい笑顔を浮かべる。
そのことにほっとした。

