「えっ……」
後ろから伸びてきた腕にぎゅっと抱き締められる。
懐かしい香りが鼻を掠めて、体が少し硬直した。
この匂いは……。
「あーあ」
あたしの鼓膜を震わせるこの声を間違うはずなんてない。
顔に熱が上がって赤面するあたしの背後、彼はそっと耳元で呟いた。
「やっぱり買わなきゃよかった。
……そのワンピース」
「っ、」
「露出しすぎ、スカート短すぎ。
……似合いすぎだし、可愛すぎ」
不満なのか、それとも褒めているのか分からない言葉だけど…そんなことはどうでもよかった。
夢みたいな出来事に頭がついていかないけれど、それ以上に胸を満たしている幸せは言葉では到底表せそうにない。
ドクン…ドクン……
周りの音は何も聞こえず、胸の音が妙にリアルに聞こえる中、
「こっち…向いて?」
彼の声が言葉は鮮明に理解できて。
抵抗することなく、腕を引かれるままあたしは後ろを振り返った。

