あれから時は経ち…あと1日で光輝を見送ってから1年になる。


まだ…光輝は帰ってこない。


……あ、結局大人の階段を上るのは阻止しました。


それ以外のことは…ご想像にお任せします。


それはさておき……


あたしは相変わらず光輝のことを待っている。


そんな簡単に来れるわけないことは分かっているから。


だけど…今日は来てくれないかな?


……なんて。


ちょっぴり期待してる自分がいるんだ。


だって今日はあたしの誕生日だから。


本当なら高3にもなって、受験生という身なのだから誕生日とか言っている場合じゃないんだけど。


光輝ならもしかして……なんて。


思わずにはいられないんだ。


あり得ないよね、来てくれるはずなんて……


ピーンポーン


不意に聞こえてきた家のインターホンの音に、はっとするあたし。


はーい、と言いながら玄関に向かっているお母さんの足音に耳を澄ませば、


「宅急便でーす」



という声が外から聞こえてきて。


「はあ……」



ため息が漏れてしまう。