唇を開かれて、光輝の舌が口内に侵入してくる。
優しくて……甘いキス。
嬉しい……はずなのに。
ふと頭に浮かんできたのは…
―――特に…意味はないけど?
―――外国とか挨拶代わりにするじゃん?
あの日光輝に言われた言葉だった。
……そうだ、あたしが記憶喪失になったきっかけはあの言葉だったはず。
光輝は確かにそう言ったのに…どうしてキスするの……?
これも挨拶、なの……?
そう思った時、
「……っ!?」
ドンッ!
あたしは光輝を突き飛ばしていた。
「し、ずく……?」
「これも…挨拶、なんだよね?」
笑いながらそう言ったものの、涙がとめどなく溢れてくる。
あたしの言葉にはっと顔色が変わった光輝。
きっとあの日のことを思い出したのだろう。
「違うっ!あれはっ…」
「いいの!もう…気にしないで?」
これ以上酷い顔を晒したくなくて俯いた時、強く腕を引かれた。

