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キーンコーンカーンコーン



朝のHRを知らせるチャイムが鳴る。


それを聞いて、あたしは愛子のもとから去り、窓側の自分の席についた。


ここ、冬は冷気が入ってくるから寒いんだよね……。


かじかんだ指を自分の吐息で温めていると、


「皆さん、おはようございまーす」



なぜか無駄にハイテンションの状態で、担任が入ってきた。


きっと何かいいことがあったに違いない。


ま、あたしには興味のないことだけど。


そう思って、外をぼんやりと見つめていた時だった。


「今日からこのクラスに、

 新しく転入生が入りまーす」



興味のなかったあたしが、反応するのには充分な担任の言葉。


転入生……?


みんなが興味津々なのに対し、あたしは担任を硬直したまま見つめることしかできない。


嫌な予感がしたのだ。


昨日の今日だからこそ……だ。


そして……


「じゃ、入ってきて……

 ――――――秋山君」



あたしは担任の言葉に、言い表しようのない絶望感に襲われた。