「……記憶が戻ったのか」
「う、ん……っ」
声が震える。
まさか抱き締めてくれるとは思わなかった。
体が密着していることもあって、胸がすごくドキドキする。
鼓動が直接光輝に伝わっていると思うと、なんだか恥ずかしくなった。
「どうやって…ここまで来た?」
「ん…なんか足が自然に……
気づいたらここにいて…
それで…相合い傘を見たら…」
「……んな」
「え……?」
「心配…させんなっ……」
「…っ……」
う、そ……?
心配してくれてたの?
信じられなかったけれど、光輝の腕が微かに震えてることから本当なのだと実感する。
……嬉しいんだ、すごく。
「ごめん、なさい…」
謝ってみるものの、嬉しくて顔がにやけそうになる。
そんな時だった。
「……!」
光輝に顎を持ち上げられたのは。
細い指があたしの涙を拭ってくれる。
そして……ゆっくりと近づいてきた顔に抗うこともしないまま。
「んっ……」
そっと唇が重なった。

