暗闇に映える…ピンクのチョークで描かれたもの。
幼い字ながらも想いがつまっているのが分かる…小さな相合い傘。
でも、あたしが目を奪われたのはそれだけじゃなくって。
そこに書かれた、
――――――"こうき"と"しずく"。
二人の名前だった。
あたしの中でなにかが弾けるのを感じる。
そっと土管から抜け出して立ち上がる。
そこには、やっぱり懐かしい風景が広がっていた。
胸が苦しい。
言葉が出てこないんだ……嬉しくて。
「やっと……」
やっと………思い出せた。
この公園も、学校へと続く通学路も。
あたしの街の匂いも…学校のみんなも。
家族も、そして……大好きだったあの人のことも。
思い出せるよ、ちゃんと。
「よかっ、た……」
気づけばあたしの頬には涙が伝っていた。
嬉しいんだ……。
そして、会いたい。
毎日会っていたのに、正体が分かった瞬間には……もう会いたくなってる。
きっと心配してくれてたはず……いや、ないかな?

