「もう…そんなこと思わない?」
「うん、約束する」
涙を拭いながら秋山君にそう告げると、
「いい子だ」
また頭を撫でられた。
絶対にそんなこと考えない。
その代わりに、一日でも早く治るように祈ろうと思った。
「頬…痛かったよな」
「いや、すっきりしたかも」
「でも腫れたら困る。
ちょっと濡れたタオル取ってくるな」
「ありがとう」
部屋を出ていく秋山君の背中を見ながら、あたしがふと思ったこと。
あたしはきっと……秋山君のことが好きだったはず。
記憶がないあたしでもそう思うから、きっとこれは間違っていない。
大切にされているのが分かるから。
これだけはちょっと確信があるんだ。
窓の外の綺麗な青空を見ながら、思わず笑みがこぼれる。
彼が部屋に帰ってくるのが待ち遠しかった。

