すごく悲しそうに笑っていたな。
思えば……みんな、あたしに会うと悲しそうな顔をする。
この間会いに来た制服の女の子は泣き出してしまったし……
今日なんか知らない人が花束を持って謝りに来た。
あたしは……どうすることもできなかった。
女の子の時だって…あたしは謝ることしかできなかったんだ。
ねぇ……
どうしてみんな、あたしの前だと悲しそうな顔をするの?
ねぇ…笑ってよ……?
あたし……どうしたらいいか分からないよ。
どこに記憶を置いてきてしまったのだろう。
誰か知っていたら教えて欲しい。
そして記憶が戻ってきたら、みんなに謝りたいんだ。
傷つけてしまって…ごめんなさい、って。
コンコンッ…
不意に響いたノックの音に、あたしははっと我に返る。
「どうぞ」
ドアに向かって一言そう告げると、
ガチャ……
静かにドアが開いた。

